お風呂のリフォームのタイミングと種類

お風呂は毎日使うものであるために、リフォームで一時的に使えなくなるのが心配で手を加えることになかなか踏み出せない方もいるのではないでしょうか。まずは、お風呂をリフォームするタイミングについて考えてみます。

お風呂のリフォームを検討するタイミング

お風呂のリフォームに最適なタイミングとはいつでしょうか。
経年による観点から、一般的には20年を目安にメンテナンスを検討するケースが多いとされていますが、「より快適なバスタイムにしたい」と思った時がリフォームのタイミングです。
お風呂は毎日の疲れを癒やし、リフレッシュするための大切な場所です。リフォームによってさらに快適で素敵な時間を手に入れましょう。
具体的な例を挙げると、次のような不具合や心配事があれば、リフォームを考えていいタイミングではないでしょうか。

➤床面の水が流れにくくなったとき

➤カビや汚れが目立ち、掃除してもなかなか落ちない。また、掃除してもすぐに発生してしまうようになったとき

➤バスルームが寒く、ヒートショックが心配なとき

➤お湯が冷めるのが早く、追い焚きの光熱費が心配なとき

ほかにも、家族が増えて手狭に感じるようになった、浴槽をまたぎづらい・床が滑りやすいなどの不便さを感じるようになったなど、リフォームの理由はさまざまです。「より快適なバスタイムにしたい」そう思ったときが最適なタイミングなのです。

在来工法とユニットバス

浴室のつくりには、大きくわけて在来工法とユニットバスという2種類があります。

在来工法は昔からある工法で、家の一部に防水加工し、コンクリートやタイルによって風呂場をつくります。
もう一方のユニットバスは、浴槽、床、天井のつなぎ目部分が一体化されている浴室をいいます。あらかじめ工場で、浴室の天井や壁、床や浴槽などパーツごとに製造し、現場で組み立てます。システムバスと呼ばれることもありますが、これと同じものを指します。

在来工法は、サイズに縛られないため、自分好みの材料を使って好きなデザインにできるという利点があります。浴槽と洗い場の間取りや、バスタブの素材や形、窓のデザインや大きさなど、自分のこだわりを取り入れた浴室をつくることができます。
しかし一方で、年数が経つとタイルのひび割れや防水加工の劣化により水漏れや隙間の発生といった心配が出てくる可能性があります。
ある程度の月日が経つと、タイルのヒビ割れや継ぎ目のゴム部分の剥がれなどが起きますので、早めにメンテナンスすることが大切です。

そこで近年は、防水性・断熱性に優れ、施工期間も短いユニットバスが主流となっている傾向があります。ユニットバスは、カタログからタイプを選ぶことになるため、デザインや種類が限定されますが、最近ではラインナップが多様化し、理想に近いものを選べるようになっています。
先に書いたように、つなぎ目部分が一体化しているので、継ぎ目に汚れがたまりにくいよう設計されていて掃除が容易、段差が少ない、漏水のリスクも軽減される、といったうれしいメリットがあります。

また、最近はオーダーユニットバスも人気です。オーダーユニットバスは、防水性を確保しつつ、一般的なユニットバスとは異なり、バスタブや水栓などの器具や床・壁の仕上げなどを自由に選ぶことができます。既製品にはない自由度の高さと高い防水性能を併せ持った、まさにオーダーメイドのバスルームが実現します。

このように、2つの工法があるお風呂のリフォームには、大きくわけて次の3パターンがあります。

➤在来工法のバスルームを在来工法でリフォーム

➤在来工法のバスルームをユニットバスへとリフォーム

➤ユニットバスを同タイプで新しくリフォーム

 

お風呂のリフォームに必要な費用と期間

「必要な費用は?」「工事期間はどれくらいか?」これらが一番心配という方も多いのではないでしょうか。ここでは、リフォームに必要な費用と期間を見ていきましょう。

在来工法のバスルームを在来工法でリフォームする場合

柱の間隔や間取りなどの事情によりユニットバスが入らないといった場合や、カタログなどに載っていない100%自分好みのバスルームをつくりたい場合。このようなときは、在来工法のままリフォームすることになります。
リフォームの手法としては、タイルの張替えやパネル上張りと呼ばれるものがあります。パネル上張りとは、従来の浴室のタイルの上から、ユニットバスのようなパネルを貼ることでユニットバス風の浴室にする工法です。事情によりユニットバスが入らない場合に、この方法がよく選ばれます。
費用の目安は、タイルの張り替え、浴槽交換などだけであれば50〜70万程度、浴室の移動や拡張、水道や電気、ガスなどの配管工事まで必要な場合は200万円を超えることもあります。

在来工法のバスルームをユニットバスへとリフォームする場合

在来工法のバスルームをユニットバスへ変更する場合は、下地の補修の有無が重要となります。
特に、築年数が経過したバスルームでは、床や壁の隙間から水が漏れ、下地が腐食しているケースも考えられます。こういった場合は下地補修が必要となり、15万円ほどの追加費用が必要となるほか、工事期間も長くなります。
また、両方の工法を組み合わせたような「ハーフユニットバス」と呼ばれる手法も人気です。ハーフユニットバスは、床から浴槽の立ち上がり部分がユニットとなっており、壁や天井部分の上半分は自由にデザインできます。在来工法からユニットバスへのリフォームが増えている理由の一つにもなっています。
費用相場は100~150万円、1週間前後の期間が目安です。

 

ユニットバスから同タイプで新しくリフォームする場合

ユニットバスも、新機能を取り入れたものや新しいデザインのものが続々と製品化されています。最新式のユニットバスにすることで快適性が増すだけでなく、掃除が楽になる、光熱費を節約できるといったメリットもあります。
ユニットバスには多くの種類・グレードがあり、どのような本体を選ぶかによってリフォーム費用は大きく異なります。一般的に、費用は50~150万円、工事期間はユニットバスの入れ替えなので比較的短期間で済み、4日前後が目安となっています。

 

快適なお風呂にするためのポイントリフォーム

今まで見てきたようにバスルーム全体をリフォームすることだけがリフォームではありません。快適さや安全性向上のためにバスルームの一部をリフォームする方法も人気があります。

浴槽の交換などといった比較的大規模なもののほか、手間も時間もあまりかからないポイントリフォームもあります。浴室水栓やシャワーの交換、給湯器の交換、浴室ドアの交換、手すりの取り付け、脱衣所とのバリアフリー化などは、短期間でできる手軽なリフォームです。

近年では、オーバーヘッドシャワーを取り付ける方も増えてきています。
以前は、オーバーヘッドシャワーというと、ホテルや高級物件にしかないというイメージもありました。しかし今では、天井の高さなどの条件はありますが、専用の補強資材などを用いることでユニットバスにも簡単に取り付けることができますので、身近な存在になってきたと言えるでしょう。ユニットバスの浴室水栓はそのままに、リゾートホテルのようなオーバーヘッドシャワーで快適なバスタイムを手に入れることができます。

また、すぐにでもできるシャワーヘッドの交換は手軽なうえに効果が大きく、快適なバスタイムを手に入れるためにおすすめできるポイントリフォームです。全身が柔らかい雨に包まれるようなレインシャワー、肌を刺激してリフレッシュできるマッサージシャワーなどの機能があるシャワーヘッドが人気を集めています。

その他、窓を断熱性の高いものに変えるなどして暑さ寒さ対策などを行うことも、快適なバスタイムを作るひとつのアイディアです。

 

リフォームで快適なバスタイムを

お風呂のリフォームについて、その種類や目安の費用と期間、ポイントリフォームという方法についてご紹介しました。

オーバーヘッドシャワーの取り付けやシャワーヘッドの交換といったポイントリフォームは、手軽にできる割に大きな満足が得られるおすすめの方法です。快適なバスタイムのために、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

また、毎日のバスタイムをより快適にするためのお風呂のリフォームは、快適さだけでなく光熱費の節約や、水漏れによる土台の腐食など、切実な問題にも関係しています。バスルーム全体の交換なのか、シャワーや浴槽など一部の交換にするのか、条件にあった理想のリフォームプランをたててみましょう。