トイレの手洗器の種類

一口にトイレの手洗器といっても、その種類はさまざまです。ここでは、どのようなタイプのものがあるのかをご紹介します。

システムタイプ

手洗器がカウンター状になっていて、キャビネットやトイレットペーパーホルダーなども一体化しているのがシステムタイプです。お好みのオプションを組み合わせられるものもあり、タオル掛けや手すり、トイレのリモコンなどを取り付けられます。トイレの左右どちらかの壁を占有する大きさのものが多く、比較的広めのトイレに適しています。このタイプは国産メーカーが主流です。

壁掛けタイプ

壁掛けタイプは、手洗器を壁に埋め込んだり引っ掛けたりして取りつけるタイプです。カウンターやキャビネットの上に設置する必要がないため、あまり面積の広くないトイレにも設置しやすいという点が特徴です。また、手洗器が宙に浮いたような構造になっているため、足元にも余裕が生まれます。

カウンター設置タイプ

カウンター設置タイプは、カウンターの素材やカラーとのコーディネートによって、トイレ全体のイメージを大きく変えることができ、オリジナルの空間をつくることができます。

➤ベッセル型
カウンターの上に置くベッセル型は、手洗器自体のフォルムが際立ち、ホテルのバスルームのような雰囲気を楽しむことができます。四角い形状のスクエア型ベッセルは、スッキリとしていて洗練されたイメージを与え、サークル型はふんわりとした柔らかさを感じさせます。

➤オーバーカウンター型
カウンターの上から被せるように取りつけるのがオーバーカウンター型です。カウンター上面に手洗器の縁の部分が出てくる納まりとなります。

➤アンダーカウンター型
カウンター上面に対し手洗器をカウンター下側に設置するのがアンダーカウンター型です。凹凸のないフラットなカウンターがスッキリした印象を与え、比較的お掃除もしやすいです。

 

トイレの手洗器の選び方

このようにさまざまなタイプ、設置方法のあるトイレの手洗器は、どのような基準で選ぶといいのでしょうか。トイレの手洗器を選ぶ際は、次のポイントから考えてみましょう。

間取りから考える

トイレの正面にドアがあるような間取りなら、入口付近の壁に手洗い場を設置するのが定番です。人の通るスッペースを狭くしないように、奥行きの少ない壁掛けタイプ、またはキャビネットタイプ(手洗器と収納が一体になったタイプ)がおすすめです。
横にドアがある間取りなら、ドアの向かい側コーナー付近にキャビネットタイプを設置することで、スペースを有効活用しつつスッキリした印象にすることができます。
奥行きのある間取りのトイレなら、左右の壁のどちらかにシステムタイプを設置して、収納効率と機能性を両立させましょう。必要なものを壁側に集中させることで、広々とした空間を演出できます。

空間としての調和を考える

トイレをおしゃれな空間にするためには、全体の調和も大切です。トイレ室内の主役は、あくまでトイレ本体。手洗器も、トイレ本体と調和が取れるような色やデザインのものを選びましょう。

機能を考える

いくらトイレや手洗器がスタイリッシュでおしゃれなイメージのものでも、その周辺に清掃用品や予備のトイレットペーパーが無造作に置いてあると雰囲気を損ねてしまいます。こういった備品や消耗品などをしまうための収納スペースの確保も、おしゃれな空間を作るためには必要になってきます。
収納がないトイレ空間なら、キャビネットタイプかシステムタイプの手洗器を設置することで、同時に収納も確保することができます。ただし、欲張りすぎて人の通る動線を遮ってしまわないようにすることも大切なポイントです。

手洗い水栓との相性を考える

ベッセルの形状により、設置水栓との相性も重要となります。使い勝手、デザイン性等の調和のとれた組み合わせにすることで、より快適でおしゃれな空間が演出できます。

トイレの手洗器を設置するときの費用は?

では実際に、トイレに手洗器を設置するときの費用はどれくらいかかるのでしょうか。トイレの手洗器を設置または交換する場合、次の三つのパターンがあります。

➤手洗場を新たに設置

➤手洗器のみ交換

➤手洗い場全体を交換

このうち、手洗い場を新たに設置する場合は、水道管や排水管の工事も必要となるため費用は大きくなり、10~20万円ほどが相場となります。手洗器本体のタイプや、既存の配管がどのようになっているかによって費用が変わります。
一方、ベッセルのみ交換の場合は比較的費用は少なくすみます。ベッセル本体は3~6万円ほど、交換工事費用として3~7万円ほどが必要となるため、約6~13万円が相場となります。
手洗器をすべて交換する場合は、本体と工事費用をあわせて10~20万円が目安です。

トイレに手洗い場を設置するメリット・デメリットは?

トイレ空間内に独立した手洗い場があると、どのようなメリット・デメリットが生まれるのでしょうか。
メリットとしては次のような点があげられます。

➤トイレ空間内で手を洗える
手を洗う前の状態でドアノブに触れることに抵抗がある方も多いのではないでしょうか。トイレの室内に手洗い場があると、そのような清潔面でのメリットが大きくなります。

➤子どもでも手が届く
トイレがタンクタイプの場合、タンク上部に手洗器がついているものがほとんどです。しかし、このタンク上部の手洗器は、小さなお子さまにとっては手が届きにくい高さにあります。独立した手洗器があれば、お子さまでも手が届いて便利です。

➤トイレ本体に水がはねない
タンク上部に手洗器がある場合、トイレ本体に水がはねやすく、トイレが汚れる原因のひとつになります。独立した手洗器ならその心配もなく、トイレ掃除の手間が軽減されます。

➤水栓などにこだわることでトイレをおしゃれな空間にできる
今やトイレは、一つの部屋、くつろげるプライベート空間として重要視されています。トイレの室内全体をおしゃれな空間にするためには、手洗器もこだわって選びたい部分です。
このようなメリットがある一方で、手洗い場の設置にはデメリットとなりうる部分もあります。

➤空間が狭くなる
トイレ空間の面積は限られています。手洗い場を設置すれば、空いているスペースが狭くなることは避けられません。これによって使いにくいトイレになってしまわないよう、設置前に十分な計画と手洗器の選定が必要です。

➤タンクタイプ上部の手洗器一体型に比べると割高
タンクタイプのトイレは本体上部に手洗器があることが多いですが、別途手洗いスペースを設置する場合、その分費用がかかる点はデメリットといえるでしょう。

➤掃除の箇所が増える
手洗いスペースが別にあると、トイレ本体と手洗器周辺のどちらも掃除しなくてはなりません。ただし、先述のとおりタンク上部の手洗器はトイレ本体を汚す原因にもなりうるため、トイレ本体の掃除は楽になる場合が多く、使い方によってはメリットにもなります。
トイレの手洗器を新たに設置、交換する場合には、これらのメリット・デメリットもあわせて考えましょう。

手洗いスペースは空間をデザインするインテリアのひとつ

トイレの手洗器の選び方、費用やメリット・デメリットをご紹介しました。
タンクレストイレを選ぶ家庭が増えつつある今、トイレ室内への手洗いスペース設置も増えています。手洗いスペースはトイレ本体と並び、空間のデザインを大きく左右するインテリアのひとつです。選び方次第で、トイレをおしゃれな空間へと変えることもできる手洗いスペース。
手洗器設置・交換の際には、機能性はもちろん、デザイン性にもこだわって選びたいものです。